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他人以上、知人未満に覚えた複雑な気持ち

大学のとき、同じサークルにいた女の子、仮にハルヒちゃんとしよう。
彼女は北国独特の、柔らかい物腰で、うるさくはないけど明るい、とても絵が上手な子だ。

ハルヒちゃんには弟がいて、いっちゃん、いっちゃん、とよく口にしていた。

いっちゃんは今、大阪でバンドやってるよ。
いっちゃんのライブが、今度あるんだって。

会ったこともない、いっちゃん。
話の流れの中で、よく耳にはしていたが、特に興味を引くこともなく、我々は卒業。
それぞれ別の道に就いた。


時は流れて、10年ちょっとぶりに、サークルの同窓会が開催された。
ハルヒちゃんは相変わらず、柔らかい物腰のいい子だった。
昔話に花が咲く中、ふと、思い出した。
そういえば、弟のいっちゃんはまだバンドやってるの?

ハルヒちゃんが、10年前と同じ調子で答えた内容は、衝撃的だった。

まだやってるよ~。
今度、ミュージックステーションで、タモリさんに会うんだって。

やってるってレベルじゃねえ!

教えてもらったバンド名で検索して、YouTubeで見てみた。
その映像が、またしても衝撃的だった。

彼らが手にしている楽器はMac。
リンゴのマークでおなじみの、アレ。

Apple Mac mini/2.3GHz Core i5/2GB/500GB/NO ODD MC815J/A

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バンド?
ギターとか、ドラムとか、革ジャンとか、色々足りない。

バンド(英語: band)は、楽曲を演奏する集団のこと。

定義としては、間違ってはいない模様。。


それはさておき、彼の10年はきっと濃密なものだったんだろう。

彼の10年も、赤の他人の10年も、俺の横を通り過ぎて行ったが、いっちゃんのそれは、きっと、他人よりも少しだけ近くを通り過ぎたに違いない。
関係ないって気持ちと、羨ましいって気持ち、近くで見たかったという気持ち、そして、少しの親近感を覚えた。

アピカ 10年日記 B5 D305

アピカ 10年日記 B5 D305

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