自分より優秀な新人を指導するための予習

来週から研修を終えた新人一人、指導を兼ねて実務で面倒を見ることになりました。
しかも「曲がらず、まっすぐ育つように宜しく」というありがたい注文付き。

入社して10年近く経ちますが、今年の新人は間違いなく過去最高の粒がそろっています。
数年後には追いつかれちゃうかも…と言っても過言ではない、否むしろ素直で一生懸命なトコロと差し引きすると、もう負けてるかもしれないぐらいのレベル。

そんな中でもトップクラスの一人を任されても困るんですが、上からの命令は断れないのがサラリーマンの辛いトコロ。
仕方がないので、今からアドバイスというか、大きな方針?を考えてみます。

組織の中の一員である、ということ

組織に属している、とうことは共通の目的に向かって 分業している、ということです。
悪い言い方をすれば部品ですし、歯車です。
ただ心を殺して従えとか、嫌でも笑顔でハイと言え、ということではないと思います。

むしろ自分の気持を素直に伝えてくれたほうが、こちらとしてもやりやすいです(嫌といえば全て断れるわけではないです。念のため。)。
その時に注意して欲しいのは、「社会人のマナーに則って」伝えて欲しいということです。

こちらも人間ですので「ムリムリ、ゼッタイ嫌だ」とか「チョットマジ意味分かんないし」とか言われちゃうと、心情的にも認めてあげにくくなります。
例えば「ここまでやってみましたが、時間がかかりすぎていて間に合いそうにないので助けてください」とか「難しくて理解できていない気がします。○○という意味で合っていますか?」とか、上手に質問・相談の体を装っていただけるとこちらも助かります。


あと、判断には基準権限が必要です。
こちらは一歩間違えると大変なことになるので、特に注意していただきたいです。

例えばお客様からの問い合わせの電話に出た場合、アナタの答えは会社の答えとみなされます(お客様はそう捉えます)。
わからないこと憶測で即答せずに「確認します」と答える必要があります。

先に述べたとおり、共通の目的に向かって分業しているので、色んな人が関わっています。
皆が皆んな、勝手な判断でコトを進めてしまうと収集がつかなくなりますので、重要な判断・難しい判断ほど偉い人が行うような組織階層が作られています。
その中でアナタも仕事の一部分を任されるような形で関わることになります。

そしてアナタの判断には、必ず根拠を求められます。
慣れるまでは「資料Aに○○の場合、気温が20℃以上なら△△で、20℃未満なら□□で、と書いてあるからです」など、資料やルールに基づいて判断するのが無難です。
また、検討段階でアナタの権限を越えた判断が必要になった場合は、必ず上の人に判断してもらう必要があります。
急いでいるしほぼこれで間違いなさそうだから、というのは理由になりません。

最初は難しいかもしれませんが、組織は人間の集合体です。
人として素直に誠実に振る舞えば、周りの人たちもそれに応えてくれるはずです。

技術を学び続ける、ということ

我々は技術職です。
新しい技術は日々生まれてきていますので、我々もそれを学び続けていく必要があります。

ただ、すでにある技術も生まれてくる技術も膨大な数があるので、すべてを学び取るのは不可能です。
そこでオススメしたいのが「基準になる技術を持つ」ということです。
まずはひとつの技術をじっくり学んで、その技術との違いは何か?なぜ違うのか?という視点で自分なりに考えてみるとより早くより深く理解できると思います。

来週からの仕事ではC#(シーシャープ)という技術を使いますが、私からはJavaScript(ジャバスクリプト)という技術をおすすめします。
面白い技術ですがナカナカ個性的なので、楽しく学べる上に、他との比較がやりやすいかと思います。
また、(この先分からなくなってきましたが)サーバ側でもクライアント(ブラウザ)側でも動く唯一の技術ですので、とりあえず身に付けておいて損はないかと思います。


さて、上で「技術」と言っていますが、プログラミング言語の話しかしていないことに注意してください。

技術職が身に付ける必要のある技術はとても幅広く、データベースやネットワーク、暗号化の技術といった「いわゆる技術」だけでなく、コンピュータの素人であるお客様に操作を指導する技術や、お客様のお困りごとを理解し解決策を提示する技術など、「お客様に満足していただく技術」、こちらもとても大切です。
どれも学問の分野として成り立つような深いものばかりですから、一朝一夕に習得できるものではありません。

段階的に学ぶコツは、数年に一度でよいので、資格取得を目指すことです。
ある程度の経験に体系的な学びを加えると、点が線になり、線が面になりますよ。

仕事に向き合う、ということ

技術というだけあって、これは仕事です。
コンピュータの向こうにお客様がいることを忘れてはいけません。
お客様はコンピュータの素人だからこそ、我々に高いお金を払ってブラックボックスを買ってくださるのです。
そう、お客様から見ると我々が提供するのは「ブラックボックス」であり、ブラックボックスの価値を支えているのは信用です。

人の信用を得るためには、健全な心で相手に接する必要があり、健全な心は健全な体にしか宿りません。
結局のところ体は資本ですから、若さに任せて無理をしすぎないように気を付けてください。

ストレスの多い仕事と言われますが、ストレスを感じるほど頑張らなくても要求された水準を満たす方法はいくらでもあります。
楽するための努力を惜しんではいけません。

私に伝えられることは一生懸命お伝えするつもりですが、そこから気付きを得るのも、興味を持つのも、学ぶのもアナタ自身であることを忘れないでください。


最後に、アナタたち新入社員が楽しそうに研修課題に取り組み、素晴らしい成果を出したこととは無関係ではありません。
根拠となる数字はありませんが、経験上、仕事を楽しむことと仕事の成果には正の相関があると感じており、また、それを信じています。

健全な心と体で仕事を楽しむこと、アナタにはきっとできると思います。


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